ピラミッド型組織とフラット型組織、どちらが優れた組織の在り方か

TIPS

組織の在り方には、大きく2つのタイプがあります。1つ目がピラミッド型組織。昔ながらの軍隊形式で、指揮命令や権限が明確になっているタイプです。

2つ目が、フラット型組織です。役職の数は最低限に抑えられ、序列がないタイプです。アニメのワンピースをイメージすると分かりやすいかもしれません。

ピラミッド型組織とフラット型組織

2つの組織の概要とメリットとデメリットを見てみましょう。

ピラミッド型組織の概要

ピラミッド型組織は、各階層がはっきりと分かれているため、意思決定や指揮命令の流れが分かりやすくなっています。その反面、上司の上司や部下の部下とはコミュニケーション量が少なく、距離を感じやすくなります。

また、上司は部下の安定したパフォーマンスと成長に責任を持ち、必要なサポートを実施します。実務面だけでなく、人材の育成・成長といった観点から見ても、非常にわかりやすい組織です。

ピラミッド型組織のメリット

・明確な仕事の順序と役割が決まっている。
・指揮命令や意思決定者がわかりやすい。
・組織の末端メンバーは、高度なスキルや自立心が必要ない。

ピラミッド型組織のデメリット

・業務内容は伝わるが、正確な意図まで末端に伝達されにくい。
・部下は上司の指示通りに実施するため、自立心が育ちにくい。現場からのイノベーションや改善アイデアが出にくい。
・現場で起きた問題が階層を追って上に報告が上がるため、解決が遅い。

「組織」と聞くと、多くの人が真っ先に浮かぶピラミッド型組織。指揮命令のシンプルさや情報伝達の順序を守るため、階層を飛び越えての相談は基本的にNGです。わかりやすい組織の形ですが、変化が激しく、柔軟な展開が求められる現在では、そのスピード感やイノベーションの起きにくさから、否定的な意見が多くなってきています。現代では、それらを克服できるフラット型組織に注目が集まっています。

フラット型組織の概要

役職数は最低限に抑えられていて、個人がそれぞれの責任で仕事を進めます。上下関係がなく、それぞれが対等な立場で意見を交換します。また、リーダーやマネージャーについても、あくまで役割の一つとして考えられていて、立場に上下はありません。

各人がプロフェッショナルとして仕事を進め、物事を判断していくため、問題解決のスピードはとても速くなる点が最大の特徴です。一方、指揮命令や意思決定者が明確でないために混乱が起きやすいといったデメリットも抱えています。

人材育成においては、上司の裁量よりもメンバーのポテンシャルによるところが大きくなり、向上心の強いメンバーの成長スピードは加速され、消極的なメンバーの成長スピードは鈍化します。複数の新人がいた場合、成長スピードに格差が生まれやすい組織でもあります。

フラット型組織のメリット

・それぞれの判断で物事を進めるため、スピードが速い。
・自由度が高く、裁量も大きいため、新しいアイデアが生まれやすく、イノベーションが起きやすい。
・一人一人の責任が大きく、やりがいが大きい。また、スケジュールや仕事の進め方が自由で、拘束感がない。

フラット型組織のデメリット

・指揮命令や意思決定者が明確でないために混乱が起きやすい。
・プロとしての判断や行動ができなければ、新人であっても否定的な評価になりやすい。(成長も自己責任。)
・スキルや知識の持つ特定の人材に仕事が集中し、業務量の差に不満が出やすい。(特定の人材にストレスがかかりやすい)

フラット型組織は、各人の裁量権が高く、自由度が高い組織です。成立には、各メンバーにプロ意識と専門性、スキル、セルフマネジメント力が必要となります。近年、注目を集める組織の形ですが、どのような組織にも適しているというわけではありません。

それぞれの長所と短所を理解することが大事

記事のタイトルを「ピラミッド型組織とフラット型組織、どちらが優れた組織の在り方か」としましたが、実際にはどちらが優れていると一概に言い切ることはできません。事業内容によって、向き不向きがありますし、それぞれにメリットとデメリットがあるためです。

大切なことは、長所を存分に生かし、短所に配慮した行動を実践することです。

また、ピラミッド型組織の中でもフラットな考えの人もいれば、フラット型組織の中でもピラミッド型組織寄りの意識が強い人もいます。関係する人は、どちらよりの考え方なのかを知っておくことで、日々の仕事が円滑になるかもしれませんね。

確認テストにチャレンジしよう!

ピラミッド型組織とフラット型組織

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